バーチャル広告の新常識は「ユーザー参加型」
HIKKYのCVOのフィオです。
今回は、「バーチャルの体験がきっかけで企業・サービスを好きになる」現象についてお話したいと思います。
Vketに出展している企業って、なんだか親しみを感じてしまうんですよね。Vketには、企業ブースが集まる会場が毎回2~3ワールド設置されます。
出展物は企業によって様々で、ワールドからアバター、アバター向け衣装、現実の商品もあります。
では、Vketに出展する企業は、何を目的に出展しているんでしょうか?
出展企業は営利組織なので、売上や利益、それらに繋がる知名度やアクセス数、またはアンケートなどの市場調査などを目的としています。
話題になったり、売上がでたり、ブースに訪れる人の数が多かったり、もしくはその逆だったりで、今回のVketは成功/失敗、次回のVketではこうしよう、といった成果になって現れます。
普段、私達は街中で様々な企業の広告を目にします。
企業の広告や動画を見て、買おうかどうしようかを考えたり、その企業や商品の名前を覚えたりする。
同じことがバーチャル空間でも行われているのですね。
Vketを6年間やってきて感じるのは「現実世界の広告をそのまま持ってきても効果が薄い」ということ。
例えば、動画広告。
現実世界では、電車の車内モニターに流す動画広告や、Youtubeの動画の間に挟まる広告で一定の効果があるでしょう。
一方、バーチャル空間では、平面の動画が流れていても、来場者さんはあまり見てくれません。
ユーザーの移動が現実よりも自由で、バーチャル空間には動画よりも目を引く物体が多いからかもしれません。
ポスターも同じで、ユーザーは、動かない画像よりも、動く景色や手に持てるオブジェクトの方に興味があります。
現実世界の企業活動では、動画やポスターといった広告手法に慣れているので、そのままバーチャル空間でも慣れ親しんだことをやってしまいたくなりますが、それでは上手くいかない。
バーチャル空間でより効果がある広告は「ユーザーが参加できるもの」です。
過去の事例で言えばロート製薬さんの目薬鉄砲は私のお気に入りです。
薬局などでよく見る菱形の目薬の形をした3Dモデルが、手に持てるようになっていて、トリガーを引くと目薬が飛び出る。目薬が当たった先に「爽快!爽快!」といったエフェクトが出る、といったものです。
だからなんなんだ、と言われればそれまでなのですが……笑
そこらじゅうやフレンドめがけて「爽快!」をばらまいて、しばらく遊んでしまいます。
自分の行動がバーチャル空間に反映されるのが楽しいのかもしれないですね。
普段の現実世界の生活でも、いつのまにか「爽快目薬銃の形をしたあの菱形の目薬」を買うようになりました。
なんとなく「この目薬は、あのVketに面白い目薬銃を出していた会社の商品だな」と思うと、他の目薬より優先して購入してしまうんですよね。
バーチャル空間には、バーチャル空間のお作法みたいなものがあります。
ポスターで成果が出る時代と、動画で成果が出る時代の販促手法には、大きな変化があったことでしょう。
ユーザーと世界の間で相互作用がある時代の販促手法にも、これまでの広告とは次元の違う変化が起きていきます。
バーチャル空間で生活するユーザーの生活様式や価値観に寄り添った販促アプローチを心がけたいですね。
私としては、「普段のバーチャル空間での生活に密着して単純接触効果を高めるようなオブジェクトが広告としての効果が一番高くなるのでは?」と思っています。
例えば、バーチャル空間の全ての冷蔵庫の中に「あるブランドのビール」が置いてあったらどうでしょう?
ビールが飲みたくてコンビニに買いに行った時、毎日のようにバーチャル空間で目にするビールを思わず買ってしまうようになるかもしれません。
企業会場はVket中だけの限定公開なので、機会があったら是非行ってみてください。
次回のチャンスは、2024年7月20日~8月4日に開催される夏のVketです!
『バーチャルマーケット2024 Summer』
12回目の開催となる『バーチャルマーケット2024 Summer』が、2024年7月20日(土)〜8月4日(日)の16日間にわたり開催されることが決定。『Boundless!』をテーマに、「大阪」、「ドバイ」、「横浜」をパラリアル化した3会場を企業出展VR会場として展開。さらに3回目となるリアルイベントも実施します!
▼『バーチャルマーケット2024 Summer』公式サイト
https://event.vket.com/