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【株式会社髙島屋】リアル店舗×メタバース×ECサイトの相互施策で生み出す新しい体験価値

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VR法人HIKKYが企画・運営する「バーチャルマーケット(通称:Vket)」の企業・団体様の活用事例をお届けします!

▼バーチャルマーケット
世界最大級のバーチャルイベント。3Dアイテムやリアル商品の売買に、バーチャルライブやアバター接客などの“体験”も提供し、国内外のクリエイターや企業が出展し、クリエイティブを発揮した展示に出会えるイベント。2018年から、年に2回、夏と冬に開催している。
https://event.vket.com/
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▼Vket出展価値
#バーチャル ×リアルの相互送客 #新規顧客開拓 #顧客エンゲージメント向上
▼この事例の結論・要点
バーチャルマーケット参入の動機
・新たな顧客層とのタッチポイント構築
・新たな顧客体験価値の提供によるブランド価値の向上
取り組み
・リアル店舗を活用したメタバースとの相互送客などOMO戦略への挑戦
・髙島屋オンラインストアとの連動による物販強化
効果
・バーチャル空間でのブランド認知拡大と新規顧客との接点強化
・リアル店舗とメタバースにおける顧客体験価値向上のノウハウ蓄積


バーチャルマーケット参入の動機

老舗百貨店である髙島屋に、リアル店舗とメタバースを融合させた新しい顧客体験の創出の機会として、バーチャルマーケットを活用いただきました。
髙島屋は、2021年からポスターの掲示といった簡易出展の形でバーチャルマーケットへの参加を開始し、2023年冬の開催時に初めて、企業ブースを設置する本格的な出展。
メタバースを利用するユーザー層と親和性の高い”酒”をテーマに、「ジャパニーズSAKE祭」と題し、バイヤーセレクションによる30種類の国産酒やオリジナル商品を展示販売するブースを展開。酒を担当し10年以上のキャリアを持つベテランバイヤー達によるメタバース接客も実施し、多くの来場者で盛況となりました。

前回のブースの様子

4回目の出展となった2024年夏のバーチャルマーケットでは、長年培ってきたリアル店舗の強みを活かしながら、若年層や男性といったメタバース空間ならではの顧客層との新しい接点構築を狙い、「リアル店舗、メタバース、オンラインストア」の三位一体のOMO(Online Merges with Offline)に取り組みました。

バーチャルマーケットの活用

髙島屋は、企業出展会場である「パラリアル大阪」に企業ブースを設置し、同時期にリアル店舗の髙島屋大阪店と京都店で開催されたハワイをテーマにした催事「Fresh!Fun!HAWAI‘I」をメタバース上でも展開。
リアルとバーチャルの世界観に統一感を持たせることで、顧客の没入感を高めました。

ハワイをモチーフとした明るいブース

メタバース会場の髙島屋ブースで最も人気だったのは、自分のアバターでフラダンスを躍れるギミック。SNS上での関連投稿も多く、友人同士で楽しむ姿が多く見られました。さらに、人気YouTuberやVTuberからの自発的な発信もあり、大人数で楽しめて「映え」るコンテンツの効果が特に高かったようです。

フラダンスのギミックが人気だった

 リアル⇆メタバースの相互プロモーション

メタバース上から髙島屋オンラインストアに遷移し、リアル店舗でのハワイ催事における商品を購入できるのみならず、リアル店舗とメタバースの相互送客を促す施策としてメタバース会場のブース内に設置した看板を撮影し、その画面をリアル店舗で提示するとハワイ展で利用できる200円オフ券をプレゼントする来店者向けのインセンティブ施策を実施。同時に、リアル店舗のショーウィンドーを撮影してSNSに投稿すると、抽選でギフトカードが当たるキャンペーンも展開し、リアルとバーチャル間の双方向の送客を図りました。

リアル店舗と連動したキャンペーンもメタバース上で告知された

リアル店舗でのVR体験

企業ブースを設置した「パラリアル大阪」と親和性が高いことからリアル店舗の髙島屋大阪店ではハワイ催事期間中、6階イベントスペースに「バーチャルハワイステーション」を設置、最新のヘッドマウントディスプレイを用意し、VR体験コーナーを設けました。
メタバース空間とは異なる幅広い属性の来店客が興味を示し、初めてのVR体験をしていただくことで従来の百貨店では実現できなかった新たな顧客体験を提供することができました。

実際のVR体験の様子

またHIKKYが提供する「AVATAR MAKER」で制作した髙島屋オリジナルのアバター、「髙島屋ちゃん」や、バーチャルマーケットのキャラクターを使用した特別デザインのパネルを館内各所に設置し、すべての写真を集めるとオリジナルステッカーがもらえるフォトラリーを実施したこともバーチャルマーケットでの取り組みに対する認知向上に寄与したようです。

リアル店舗でのフォトラリー

BS番組とのコラボレーション

バーチャル空間とリアルメディアを融合させる試みとして、ハワイと日本を行き来して30年以上、BS12トゥエルビ「ハワイに恋して!」のMC内野亮さんによるバーチャル接客イベントも実施しました。計5回にわたり、ハワイのアクティビティ、お酒、グルメといった多岐にわたるテーマでイベントを開催し、質の高い双方向のコミュニケーションが実現。
SNS上では「内野さんのおすすめを元に実際に商品を購入した」といった投稿も見られ、VR空間での接客が実際の購買行動に結びつく可能性や期待感が高まったと言えるでしょう。

ブース内では接客イベントが行われた。中央はオリジナルアバターの「髙島屋ちゃん」

一方で、メタバースとリアル店舗間の相互送客には、バーチャルマーケットへの参加障壁といった課題も見られました。髙島屋担当者からは、「メタバース会場へのアクセス方法をメタバースに慣れ親しんでいないお客様にご案内することが予想以上に難しかった」といった意見も聞かれ、技術の一般化やVR機器の普及が待たれています。

株式会社髙島屋 担当者からのコメント

「高島屋の持続的な成長の源泉は、創業以来受け継いできた『進取の精神』(進んで新しいことに取り組む精神)にあり、その実現には様々なお客様からの支持が不可欠です。特に若年層が百貨店に持つ『敷居が高く、自身には馴染みの薄い存在』というネガティブなイメージに対し、"いつでもどこでも、アバターで気楽に来店できる"メタバースのメリットは、その課題を解決するきっかけとなるかもしれません。バーチャルマーケットに出展することでリアル店舗に来店されたことのないお客様にも、魅力的な品揃えや温かみのある接客サービスといった当社最大の武器と魅力を体感いただく良い機会となっていると感じています。今後も新たなお客様との接点作りや体験価値の提供を通じて、OMOやDXの可能性を探って参ります。」

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