見出し画像

【クリエイター白書】VRの特性を活かした学術系コンテンツを目指す!VRC理系集会

バーチャルで活躍する様々なクリエイターのこだわりや想いをお届けする「クリエイター白書」。今回は、コミュニティにスポットライトを当て、VRC理系集会さんへのインタビューです。

2021年8月下旬に発足した、VRC理系集会。VRChatユーザーのなかには、研究職の方や、プログラマーなど理系に寄った職業に従事する方も多く、毎回超満員の人気イベントです。

バーチャルマーケットとの関わりは、2022年8月開催のバーチャルマーケット2022Summerで実施されたコミュニティコラボ企画での、特別展示があります。

魔法陣表現論と題された展示は、頂点の数に合わせて直線を結び、魔法陣を生成できるというものです。

魔法陣表現論は、こちらのワールドで体験できます。

今後も活動が注目されるVRC理系集会。どんな想いで活動されているのか、インタビューしました。

──作品にまつわるエピソードがあれば教えてください


魔法学園グランヴェールという設定と合わせて、メンバー内でアイディアを考えました。

薬品を混ぜると色が変わるフラスコや、数列を可視化したオブジェクト等、いくつかアイディアが出ましたが、ユーザーインタラクティブがあり、VRChat内で実現可能、そして学びの要素もある「星形魔法陣」を発案して制作に取り掛かりました。

基本部分はのりたまが1日で作成しましたが、星形魔法陣をテーマとしたクイズを設置しようとしたときに、どのような設問にしたら効果的に学びが得られるか?という課題があり、数学の専門家であるえなじ~さんに協力を打診したところ、次の日に10個くらいクイズ案が出てきて驚きました。

えなじ〜さんという専門家のご協力の他、理系集会メンバーによるコンセプト考案、実装、広報、そしてVketご担当者様と、色々な人の連携で完成した企画展示だと思っていて、メタバースでも多くの人が自分の得意分野を出し合って連携すれば面白いものが作れるという成功体験として、とても良い経験となりました。

──大切にしているポイントやこだわりを教えてください

学術関連での制作に関しては、どうすれば効果的に学びを得られるか?ということを考えていて、特にVR空間ならではの長所を活かしていくことが重要だと考えています。

例えば「ここは各自で学習してほしいので、ローカル動作にする」「ここは全員で同じ学習体験を共有してほしいのでグローバルにする」といったローカル/グローバルの設計にこだわりました。

同時に、コンテンツと並んで人同士の交流や議論も重要なポイントで、VR空間は現実と比べて空間的な制約が少ないことから、多くの人が議論する場は大きな空間を取った上で発表者はマイク機能を使えるようにしたり、グループ議論の場では他のグループの声が聞こえないように個室の位置や音声減衰を調整したり、程よい距離感を保てるよう、想定の人数に応じて個室の広さや、イスや発表ポスターの位置を設計することは心がけています。

──そう思うようになったきっかけやエピソードを教えてください

VRC理系集会での活動を通して、メタバースでの学びや学術系のコミュニティの盛り上がりを感じており、そういったコミュニティの活動がユーザ同士の異分野交流、いわゆる「学際交流」に貢献しているということは実感していました。

一方、コンテンツという意味だと、まだポスターや動画がメインであって、VR空間の特性を活かした学術系コンテンツが少ないということも感じていました。 そういうコンテンツを作ることは非常に挑戦的なことだと考え、VRC理系集会として本企画に取り組ませて頂いたという背景があります。


コミュニティコラボを行った結果、Twitterで「魔法陣で遊んでみた」という反応をいただいたり、また、VRC理系集会のメンバーと一緒に回るツアーも行いましたが、そこでも魔法陣ギミックを通して議論や学びが発生していたことを見ると、VRの特性を活かしたコンテンツが持つ影響やその需要が大きいという事を実感することができました。

──制作をはじめたきっかけは、ありますか

もともと、のりたまは個人でワールドやギミック作成を行っていました。最初は参加者でしたが、主催のKurolyにリプライしたのがきっかけでギミック制作を外部協力、その後に正式スタッフになりました。

その時に作成したギミックが"VRChatのプレイヤーの位置と向きを把握したい"というもので、これはVRC理系集会の参加者が、ちゃんと会話の輪に入れているかを調べたいという理由によるものでした。

その後、数々の機能追加や安定性対策を行って計測を繰り返した結果、VRC理系集会ではさまざまな分野の参加者が会話グループを作成していることが確認できました。

──今後こんなふうな活動がしたい!というのがあれば、教えてください!

VRChatをはじめ、メタバースはエキスパート、学生、市民の交流や創造性を高める可能性を秘めていることやサイエンスコミュニケーションの場としてとても優れていることをこれまでの活動から明らかにしてきました。

今後は、理系集会の通常の活動と並行して、より関心のあるアカデミアや企業が研究活動広報の場としてメタバースに着目いただけるように、原住民としてサポートが出来るような活動を増やしていきたいと思っています。

こうした取り組みによって、原住民にとっても楽しみながら学べるコンテンツが増えていくことで、より学術交流×メタバースが盛り上がっていけばよいなと考えています。

👇理系集会のサイトはこちらから!

🌟Vketマガジンでは、アツい想いを持ったクリエイターを募集中!🌟
ぜひその想いを聞かせてください!


💡おすすめ記事💡

この記事が参加している募集