[翻訳記事]VRフィットネスゲーム制作録
この記事は、「HIKKY開発者ブログ」より移動されたリバイバル記事となっています!
今後も専門的な記事をピックアップしていきますので、興味がある方はぜひご覧ください!
Hi! Vowganです。
HIKKYでVirtual Market (Vket)向けに、来場者が触れるシステムや体験を開発しています。
人々が日常的に使えるようなVRChatのツールやアセット、チュートリアルを作っています。
Vket2022 Winterで私が作ったゲームメカニクスについて説明します。
さあ始めましょう!
※この記事は英語のものを日本語訳したものです。
グローバルチームのVowganがVket2022 Winterでボクササイズゲームを作った制作録です。
ボクササイズのミニゲーム
まずは、楽天生命のブース向けに作ったボクササイズのゲームです。
作るべきゲームの要件はパワーポイント資料に全部まとまっていたので、プロジェクトに参加してすぐに作業開始できました。
このゲームを作るには、以下のような異なる要件を実装する必要がありました。
プレイヤーをアリーナの中央に立たせる
プレイヤーは、リズムに乗って投げつけられてくるプロップをパンチする
プロップをパンチするごとにスコアやライフが増加する
規定の時間が終わって音楽が終わると、ゲームも終了する
他にもいくつか機能はあって、たとえば一緒に遊んだプレイヤーの中で最も高いスコアのプレイヤーを掲示する「スコアボード」が必要でしたし、健康について書かれた色々なオブジェクトにインタラクトすることでもライフが増えます。とはいえ、メインのゲーム部分がハッキリと固まっていたので、開発はしやすかったです。
当初、プレイヤーに向かって飛んでくるプロップはプレイヤーの周囲360°あらゆる方向から来るようになっていました。
プレイヤーがどちらを向けば良いかは音声のトリガーやビジュアルエフェクトで示していましたが、それでもテスターはプロップがどこから来るかわからず、混乱してわかりにくく感じるようでした。
そこで私は、プロップが出てくる範囲を狭め、円のうち90°の範囲からしかプロップが出てこないようにして、さらに前のプロップと次のプロップの間の角度も指定値以内に収めるようにしました。
これによって、プレイヤーは新しく飛んでくるプロップを探してあちらこちら見なくても良くなりました。
これで体験はずっと楽しいものになり、さらには様々なヘッドセットやハードウェアで楽しみやすいゲームになりました。
飛んでくるプロップをパンチするというのが当初からの計画だったので、ボクシンググローブのモデルも作ってありました。
しかし制作する中で、プレイヤーが全身で運動したい場合も考えて、膝でもプロップを叩けるようにすることに決めました。
これは隠し機能ですが、発見できたプレイヤーにはさらなるポイントが入ります。
また、プロップが飛んでくる高さも変化するようにして、手と膝の両方を使いたくなるようにしました。
私がプログラミングをやっている間、音声とビジュアルは並行して開発中でした。
そのため、プロトタイプではリングと球体の基本モデルをグローブに使い、暫定の効果音は結局自分の声を録音して使いました。
「バン!」とか「にゅーむ…」とかマイクに吹き込んだのです。
テスターは喜んでくれたようで、ゲーム向けの最終盤アセットができるまでの間を埋めてくれました。
全体で見ると、当初からデザイン文書がしっかりとあったにも関わらず、プレイヤーのフィードバックや実際に遊んでいて「面白い」と感じたものを取り入れていったため、様々な部分が変更されていきました。
プロジェクトではこのような修正の可能性を残しておくことが重要です。ゲームなりツールなりを開発するときは、仮に完璧にバグが無くて素晴らしいビジュアルを持ったものができたとして、それでもやはりプレイヤーと響き合うものにする必要があるのです。
お部屋デコレーションミニゲーム
もう1つ、Vket2022 Winter向けに携わった大きなプロジェクトが、BEAMSの2階、CAINZブース向けの家のデコレーションをするゲームです。
ゲームメカニクスとしてはボクササイズとよく似た部分が多く、ボクササイズのシステムの枠組みの大部分を移植して使うことができました。
プレイヤーはタイマー期間内にエリア内で動ける
プレイヤーはオブジェクトを家の外から家の中に運び込み、デコレーションができる
スコアは時間内に運んだプロップの数で決まる
最後に部屋の写真を撮影し、ユーザーがシェアできる
タイマーシステムとスコアのシステムはボクササイズから簡単に変換できた一方で、家のデコレーションは同時に何人でも遊べるようにするため、そのように対応する必要がありました。
このための変換作業は時間がかかりましたが、結果的にはうまく動き、非常にスムーズな体験が全員でできるようになりました。
ゲームのタイマーが終わったら、個々のプロップすべてについて家の中に入っているかをチェックし、スコアを加算します。
最終的にスコアがプロップ数と等しくなれば、プレイヤー全員を特別なエリアにテレポートします。
そうでなければ、最初に戻されます。
このゲームはユーザーが好きなだけ遊ぶことができ、何人でも参加できるので、ゲーム終了と同時にプロップを元の位置にリセットする必要がありました。
しかしこの前に、完成したレイアウトの写真を入り口から撮影します。ゲーム中は時間に合わせて様々なイベントをトリガーします。
たとえば、時間がなくなってくると犬が吠えて警告したり、最初の数秒は家の電気が点いたりします。
ゲームプレイとしては、当初の予定から開発中に変更されたものはほとんどありませんでした。
テスターは皆ゲーム全体を楽しんでいたようで、ボクササイズほどの微調整は必要ありませんでした。
もちろんテスト期間はそれでも必須であり、仮にバグが見つからなかったとしても、プレイヤーとテスターがゲームを楽しめているということを確認することが必要で、そして今回はそれができていました。
次に来るのは?
Vket2022 Winterは12月18日に終了しましたが、2023年にはさらに多くのバーチャルイベントを期待していてください!
ユーザーが触れるものやゲームなど、システムやツールについてたくさんの計画があります。
今後予定のイベントはComicVket 3とMusicVket 5です!
本記事を読んで頂きありがとうございました。
次回のイベントも楽しみにしていてください!
ComicVket 3
MusicVket 5
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