スタートアップ企業「VR法人HIKKY」の企業成長に大きく寄与したメンバー採用の裏側 ~女性陣の活躍~
世界最大のVRイベント「バーチャルマ―ケット」を主催しているVR法人HIKKYは、今でこそ多くのスタッフで構成されていますが、2018年の創業時からしばらくの間は社員数がたったの5名。VRブームの到来とともに、会社が急成長を見せる裏側で、人材採用に大きな課題を抱えていたといいます。
「ゼロから共に組織づくりをして行ける経営陣を強化したい」「VRの会社であるからこそ、高い技術を持ったクリエイターを採用したい」「技術まで理解できる営業や広報を採用したい」という願い。フルリモートや裁量労働制を取り入れいている会社だからこそ「自ら情報をキャッチしていける人材が欲しい」「柔軟な姿勢や、周囲への配慮ができる人であってほしい」という考えがあったといいます。
今回はそんなスタートアップ企業「VR法人HIKKY」の企業成長に大きく寄与したメンバー採用の裏側~女性陣の活躍~について特集します。
お話をお伺いしたのは4名です。
武者純子さん(Chief Strategy Officer/前職:大手IT企業)
西尾奈央美さん(営業/前職:銀行・大手IT企業)
大河原かおりさん(人事労務・経理・法務/前職:市役所)
近藤優楓さん(営業/新卒)
(左から順番に西尾さん、武者さん、大河原さん、近藤さん)
大手企業からHIKKYへ 転職のきっかけとは
――みなさんの転職のきっかけを教えてください!
武者:ご縁をもらって、タイミングよく誘っていただいたのがきっかけです(笑)そもそも私は、規模で会社を選んでいません。その会社で楽しいことができるのか?面白いのか?これまでのキャリアが活かせるかのか?それによって、新しい自分になれるか?といった要素を、HIKKYに感じることができたのでジョインしました。特に、クリエイティビティと事業性の両輪で展開できると感じられたところが大きいですね。
西尾:HIKKYで働いていた友人からVRの世界の話を聞き、VRやHIKKYという会社に未来を感じたからですね。特にVRはこれから拡大していく市場でもあったので、参入人口もまだ少なく、これまで築いてきた【インターネット広告】のキャリアに【VR】を掛け合わせることで、自分のキャリアの幅をさらに広げることができると思いました。
とはいえ、従業員2万人規模の会社から、数十名のベンチャー企業への転職はもちろん不安でした。「忙しすぎて自分の時間も無さそう」というイメージが先行して、果たして自分はやっていけるのか?と、不安じゃなかったと言えば嘘になります。
でも、オフィス見学に行ったときに、職場の雰囲気がとても暖かく、役員陣との距離も近くて、自分の声が通りやすい環境だったので、この会社は困難をみんなで乗り越えていくんだ、一人で抱え込む必要は無いんだ、と思い転職を決意しました。
あとは、かなり私情を挟んでいますが、最近好きになったアーティストグループのLIVEをVRでやりたいと思ったこともキッカケの一つです(笑)
大河原:前職は役所で働いていましたが、その時の目標は安定でした。でも、私の姉がこの会社で営業と広報をやっているのを見て、楽しそうだったので、自分自身も新しい環境にチャレンジしてみたいと思ったのが転職の理由です。もともとアニメや漫画が大好きで根っからのオタクなので、せっかく働くなら、人生の中で好きな分野に携わって社会貢献したいと考えたんです。
――近藤さんは新卒で入社されましたが、HIKKYを選んだ理由を教えていただけますか?
近藤:私は、大学生の頃からHIKKYでアルバイトをしていました。事務や営業のサポートから入ったのですが、もちろん最初は何もわからなかったので、丁寧にゼロから鍛えてもらいました。就職のタイミングで正直どうするか悩みましたが、「こんなに意見を聞いてくれる会社は他にあるだろうか」と考えた時に、HIKKYへの就職を決断しました。
特に魅力を感じているのは「人」ですね。
「京大出身の役員だけれど、実は凄腕の絵描きでもある」とか、「バリバリの営業マンだけれど、実は声優でもある」とか、1人1人が豊かなスキルを持っているんです。基本的に、何かを作っているクリエイター要素を持っている人が多いので、一緒に仕事をしていても発想がぶっ飛んでいて楽しいんです。
(VR法人HIKKY 一部メンバーの様子)
――HIKKYに転職して驚いたことはありますか?
西尾:なんといっても、アバター出勤ですね。前職では、オンラインミーティングも顔を出しての参加が必須でしたが、そもそもアバターで本名を使っていない人もいることに驚きました。それでも、業務への支障ってないんですよね。
武者:そうそう。アバター出勤だからこそ、国籍や年齢、ジェンダー、名前など全てがボーダーレスなんですよね。通常の企業では、初対面では特に、今まで何をやってきたのかとか、何歳だとか、お互いに探りあうようなことがありました。そうした情報を飛び越えてコミュニケーションが取れるので新規メンバーがなじむスピードも早いと感じています。
大河原:私は人事や経理を担当しているので、最初は「アバター名と本名が一致しない!どうしよう!」とてんやわんやでしたが、今ではすっかり慣れました。基本的に、自分の好きな姿・名前で生きているからこそ、ベースに自信が生まれて、通常以上のパワーを発揮できている人が多い印象です。
また、役所時代は組織の仕組み上、決裁や手続きにかかる時間が長く「止まっている仕事」がどうしても生まれていたのですが、HIKKYは全てのスピードが速くて心地よいですね。
(VRの会社ならではのアバター出社。HIKKYメンバーはVR空間上での自分自身となるアバターを持つ。リアルな姿よりもアバターの姿で認識され、本名よりもニックネームで通じ合って仕事を行っている。)
スタートアップだからこその働き方、フルリモートや
裁量労働制が認められている会社だからこその立ち回りとは
――仕事をするときに心がけていることを教えて下さい
西尾:私はクライアントワークなので、HIKKYが得意とするVR空間内で楽しいコンテンツのアイデアを提案し作り出すということだけではなく、企業のブランディング効果やサービス利益につながっているか? クライアントのプラスになっているか? ということについても重視しています。せっかくお金を出して頂くので、しっかり結果が出せるように企画から考えています。
企画の幅を広げられるように、プライベートの時間でもVRでたくさん遊ぶようになりましたし、新興メディアやサービスも積極的に利用して、何か面白い企画に繋がることはないか常にアンテナを張るようになりました。(そしてそれがめちゃくちゃ楽しいです。笑)
武者:HIKKYには、いろんな考えやバックグラウンドを持っている方がいるので、それぞれの想いや夢を語ることが大切だと思っています。
たとえば「この仕事をやりましょう!どう進めていきますか?」という感じではなく、「どういったことをやりたいのか?」ということから、アイデアや希望を出し合うようにしています。それを実現させるために、スタートアップのスピード感と 実行力を失わないようにするにはどうすればいいか、ということも意識していますね。
近藤:私が入社したタイミングは、特にHIKKYが忙しい時期でした。新卒で何もわからなかったことに加えてリモートワークだったので、なかなか人に聞くこともできません。
そこで、Slackにある企画書を片っぱしから読み漁り、わからないことはひたすら調べるようにしました。どうしてもわからないところはまとめておき、あとで質問できるように心がけています。
自分から情報を取りに行って、どんどん人を捕まえて聞く。その姿勢がHIKKYで働くうえで一番重要なことだと考えています。
みなさんにとって仕事とは? 現在の環境で充実しているか?
武者:人生を豊かにする大きなひとつが仕事です。なので、遊ぶように仕事したいですね。こういういい方をするとまるで仕事人間っぽい感じがしますが、私は多趣味で遊ぶことが大好きなので、仕事も趣味も遊びまくることが目標なんです。
現在の趣味は、映画・ライブ・アートなどカルチャーに浸ることと、登山・キャンプ・カヌーなど山の中で遊ぶこと、たべること、休みにはふらりと旅に出ています。
大河原:私の場合、HIKKYメンバーの大半を占める「ザ・仕事人間!」ではなくて(笑)
こんなこと言っていいのかな(笑)仕事は能力の対価でお金をもらう手段として考えていて、それは昔から変わっていないのですが、満足度はとても高いです。
「環境と人」が変わるとこんなに働くのが楽しくなるのかと驚いていますね。
近藤:私は新卒で入社したので、社会人としての知識はHIKKYしかありませんが、とても楽しく働けてます。毎週末、先輩と一緒にオンラインゲームをしたり、推し活をしたり、ごはんに行っています。私も、先輩方のように営業に加えてプラスアルファの知識を付けていきたいなと思っています。
(左:休日に仕事仲間と浅草に出かける近藤さん 右:休日に川遊びを楽しむ武者さん)
西尾:私にとって仕事は、人生をより楽しくするものです。私はけっこう飽き性だったりするので、常に変化のある状態じゃないと辛いんです。
もちろん大変なこともたくさんありますし、そんなときはもう働きたくない―!!って思うこともありますが(笑)それでも、私の場合は、仕事と生活のバランスを取るよりも、【ワークライフハーモニー】という形で、仕事も生活もうまく融合させて、相乗効果があるモノにしたいと思っています。
先程もお伝えしたように、私の場合は、好きなアーティストのVRライブを実現させることが夢でHIKKYに入社しました。今は、その新規事業チームに参加させてもらい、やりたいことにチャレンジできているので、とても楽しいです。これからは、ライブだけじゃなくコンテンツのプランニングスキルも高めていきたいですね。
――本日はありがとうございました!