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子育てママが第一線で活躍! 世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」を運営するHIKKYが女性に優しい環境を整えられた理由

世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」やVR音楽展示即売会「MusicVket」、VRのインディーズゲーム展示会「GameVket」など、バーチャル空間を舞台に様々なイベントを展開するVR法人HIKKY。いったいどんな人たちが、こんな大規模イベントを運営しているのか気になっている人も多いかもしれません。実はその中でコアメンバーとして活躍しているのが、現在子育て中のママメンバーたちです。

そこで今回は、HIKKYのクリエイティブディレクターとして活躍しているさわえみかさんと、元日本テレビ系列山口放送アナウンサーで現在営業と広報PRを担当する大河原あゆみさん、以前は漫画家やイラストレーターとして活動し、現在VR3Dモデラーとして活躍しているももさんの3名にインタビューを実施しました!

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(左から、さわえみかさん・大河原あゆみさん・ももさん)

創業当時は家庭を持っているメンバーが一人もいなかった

――HIKKYは子育て世代にやさしい会社と言われていますが、創業当時から環境は整っていたのですか?

さわえ:それが、創業当時の3年前はまだ家庭を持っているメンバーが一人もいなかったんです。20代・30代の独身だと、遅くまで働き、飲みに行って(コロナ前だったので)、若さや勢いを一つの武器にがむしゃらに走る環境でした。

大河原:私もHIKKYの前身となる会社時代から一緒に働いてきたのですが、ここ数年で一気にメンバーの結婚・出産ラッシュが訪れまして、子育てに関する制度が何もないところから、先陣をきって自由に働ける環境づくりを整えてきたのがさわえです。

――さわえさんはお子さんが0歳の頃に、会社に連れて行っていたとお伺いしましたが、会社として受け入れ体制があったということでしょうか?

さわえ:最初は何もありませんでした(笑)ただ、私は出産をするからといって仕事を休みたくなかったんです。HIKKYが創業したばかりで、やりたいことは山程あるし、働いていないと逆にバランスが取れない性格なんです。0歳児の時は保育園に入ることができなかったのですが、どうやったら働き続けられるかを相談した結果、みんなが子供を会社に連れてきていいよと言って、歓迎してくれたんです。リモートと、施設と併用しながら会社で子育てさせてもらっていました。

大河原:正直、HIKKYにとってさわえは制作の要なので、産後に無理はさせられませんが、本人が働きたいと言うのなら全力でサポートしようといった流れでした。

さわえ:社内の空いているスペースに子供を寝かせられる場所を作っていただき、私がミーティング中はみんなが子供をかまってくれ、ミルクや離乳食をあげることなどもしてくれました。それがきっかけで、
「普段は赤ちゃんと触れ合うことはないけれど、子供を持つってこういうことなのか」「家庭を持つイメージがわいた」と言ってくれたメンバーもいました

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(左:社内で離乳食をあげる舟越社長/右:会社に子供を連れてきた日の様子)

大河原:私もコロナ渦の影響で突然保育園が休みになってしまうことがありました。その時、「静かにさせるので会社に連れて行っていい?」とみんなに聞くと、「いいよ、いいよ!当たり前じゃん」と。
娘も休み時間にはメンバーとランチに出かけ、大人が楽しそうに働いているのを見て、新鮮だったようで「カイシャっていいね!」と刺激をもらっていました。他メンバーも定期的に子連れ出社をしていますね。

もも:それに、コロナとは関係なく、HIKKYは完全リモート・コアタイムなしの裁量労働制も取り入れている会社なので、会社に子供を連れていくことが許可されているのはもちろんのこと、私のように福岡に住んでいて本社の場所すら行ったことがないメンバーもスムーズに働けています。

完全リモート・コアタイムなし・裁量労働制も導入 社内コミュニケーションは成立するのか

――ここまで自由な働き方を取り入れている企業は少ないと思いますが、コミュニケーション不足などはないのでしょうか?

大河原:HIKKYは子育て世代だけではなく、海外や地方から働いているメンバーもいますし、制作陣は夜の方が集中できるというパターンもあります。だからこそ、完全リモート・コアタイムなし・裁量労働制も取り入れられているのですが、代表の舟越は現在の形が定着するまでに、コミュニケーション不足を感じ、管理がしにくいと悩むことが最初はあったようです。

さわえ:これを支えているのが、VRオフィス・Discord・Slackというこの3つのツールをフル活用するという方法です。VRの会社ですから、全員がVR空間上に自分の姿(アバター)を持っていて、アバター姿で仕事やプライベートなコミュニケーションをはかることが多いので、むしろリアルの姿よりも、アバター姿でお互いを認識しているというのが面白いところですね。

大河原:VR空間でのコミュニケーションは、よくあるリモート会議システムとは違って、何人もが同時並行で話をしたり、握手やハグといった触れ合いもできたりするのがいいところです。実際に会っている感覚です。
それに、アバターだとリアルでは強面の代表も、2頭身のスーパーマンの恰好をしているなど、年齢や性別・役職などの枠を超えてフラットに話ができて、会議でいいアイディアが出やすいという良さもあります。

もも:ディスコードという音声やテキストで会話ができるツールでも、業務関係の連絡以外に、
自分が今何をしているかを自由に書き込める場所があるんです。
「今からお昼を食べてくる!」「子供のお迎えに行ってくる」「ちょっと今日は体調が悪い」そんな些細なことがお互いを理解したり、思いやりが持てたりするきっかけになっている気がします。

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(左:VR会議の様子/右:社内にはアバターで出勤するメンバーも多い)


ママがいつも家にいることで子供にも安心感が生まれる

――みなさん、今ではほぼリモートでお仕事をされているということですが、実際いかがですか?

もも:子供も家に帰ると、ママがいつもいるということに安心感があるようです。雨が急に降り出した時は、傘を持ってお迎えにも行けますし、病気になってもすぐに対応することができます。HIKKYのこの働き方でなければ、フルタイムでの勤務は難しかったと思うので本当に助かっています。

さわえ:現在2人目妊娠中なのですが、移動時間が必要ないだけでも本当に助かります。ただ、仕事とプライベートの境目がなくなってしまいがちなので、保育園から子供が帰ってきたら、一旦仕事の手を止めてしっかり時間を区切って、子育てが片手間にならないようにしています。

大河原:えらい!私も意識的に時間を区切りたいのですが、どうしてもうまくできなくて、仕事をする分時間がないので、苦手なことは外部サービスに頼ってしまおうということで、外食や家事代行サービスも頻繁に利用します。
例えば、自宅の周りに和食・中華・イタリアンでお気に入りのお店を見つけて常連になっているんですが、保育園帰りに子供を連れて直行します。そうすると、地域の人やお店の人とも顔見知りになって、一緒に夕食の時間を過ごせるのは子供にとってもプラスかなと思っています。「いいママになろうとしない」「ピリピリしないで子供といられる時間は楽しく過ごす」を意識していますね。


理想のママ像 今後も仕事は続けていきたいか

――みなさん、理想のママ像はありますか?

さわえ:我が家が会社から近いので、平日の仕事終わりに仕事メンバーが我が家に集まって食事をしたり、子育てメンバーで休日も出かけたりすることがよくあるのですが、こんな感じでリアルなコミュニケーションも大切にしつつ、協力し合いながらみんなで子育てをしていきたいと思っていますね。この間はいちご狩りに行ったよね。

大河原:楽しかったよね!本当にプライベートでもよく遊ぶんですよ。
それから、私の場合はリモートで平日は家にこもりきりのことが多いので、休日は反動で娘と海や山に出かけたり、アスレチックや室内パークに出かけたりして、思いっきり身体を動かすようにしています。幼いうちから色々なものを見て、私がVRやゲームが好きで仕事にしているように、「自分が好きなこと、得意なこと」を見つけていってもらえたら。そのチャンスをたくさん提供してあげたいなと思います。

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(左:プライベートでも仲の良い社内メンバー/右:休日にいちご狩りに出かける大河原さん親子)

もも:うちの子はゲームが大好きですが、ママが毎日夢中になってゲームを作ってお金をもらっている姿を見て育つことは子供にとってもいい影響があると思うんです。これからも仕事に家庭に夢中で子供にとって自慢のママでありたいですね!

――これからのキャリア形成はどのように考えていますか?

さわえ:キャリア形成ってあんまり考えたことがないですね。
仕事と趣味の境目がないので、どんどん楽しいものを作っていきながら、今一緒にやっている仲間たちと、5年・10年たってもVRリアル関係なしにわいわい出来るような世界を作っていきたいですね。


もも:漫画家時代当初はアナログでの作画でしたがデジタルの流れが来るのを感じてかなり早い段階からデジタルに移行しました。力のある若手は次々出てきますので冷静に自分を見つめて何かしらの強みを持つことを意識しています。
今後も常にアンテナを張って新しい技術を取り入れつつ皆様に新しい体験を提供していける人でありたいと思っています。今の子供たちが社会に出る頃にはどんな世界になっているのか、私はついていけてるのか!とってもワクワクしますね。


大河原:もともとアナウンサーで人に分かりやすくモノを伝えていくのが使命なので、「一生喋りで生きていく」をテーマにキャリア形成を考えています。
HIKKYでは営業と広報を担当していますが、「喋り」が命です。VRはまだまだ一般に理解されづらい部分もあるので、今まで養ってきたトークでVRの魅力を世界中にご理解いただけるよう頑張ります。ニュースキャスターの仕事もHIKKYと並行で続けていますが、両方の仕事をしているからこそ出せる結果を追求していきたいですね。

――本日はありがとうございました!