Vket Cloud イベントレビュー:「ワールドを作る時に考えていること」
2024年10月28日、株式会社HIKKYの提供するメタバースエンジン「Vket Cloud」にて、ワールド製作を主に行っているクリエイターのダック氏が「ワールドを作るときに考えていること」という制作者向けイベントを開催しました。
本記事ではイベント時のワールドの様子や語られた内容を中心に、ライブ配信機能を活用したイベントがどういうものかという点から取り上げていきます。
ワールドを作る事に対する興味関心の多さ
会場はVket Cloud上の「Vket Cloud:エントランス」、正面奥に広がるイベント会場にてライブ配信で画面共有を行う形でイベントがスタート。
最初はまばらだった参加者もイベントが進む間にどんどんと集まっていき、後半には20人以上の人数に膨れ上がることとなりました。
今回講演したダック氏は、株式会社HIKKY所属のワールドモデラーとしてバーチャルマーケットの会場となるワールドや、本イベントの会場である「Vket Cloud:エントランス」を手掛けています。
実際にワールド設計をするとなるとデザインやアイデアのセンス、あるいは知識の引き出し量やインスピレーションといったさまざまな要素を絡ませて行う必要があるようです。
多くの人が「良い」と感じるものをどれだけゼロから生み出せるか、そのために必要な工夫やギミックは細かなものから大きな所に至るまでふんだんに使った上でワールドの製作に取り組んでいるとのことでした。
内容をある程度かいつまんで記載していきますと、ワールドを作る際には見せたいものを見せる工夫や高低差を活かした景色づくり、特徴ある建物やシンボル、ワールド内に動きのあるオブジェクトを配置するといったさまざまな工程を蓄積することで、仕様の限界ギリギリを攻めながら記憶に残るワールドを作っていけるというガイダンスとなっています。
今回講演に使った資料については、後ほどYoutubeにて公開可能な版を作成し動画として公開するとのことなので、ワールドを製作したいけれどどういったノウハウを積めば良いか分からないという人に向けてのコンパスとなってくれることでしょう。
イベントでも実際に次々に参加者が訪れていましたが、そのうえさらに質問まで飛び交う盛況ぶりを見せています。
ワールドを作成するうえでのコツとして、おおまかなモデルをある程度の形状が出来た段階で砂場遊びのように配置することで、ワールドそのものの見え方や構図を想定しやすく、すり合わせの際に非常に役に立つという知見が披露された際には、会場から納得の声が相次いでいました。
最後は記念写真を撮影し、無事イベントは閉会となりました。
ヘビーになりにくく、それでいてエモーショナルな会場
先ほど述べた通り、今回のイベントには1ワールド20人以上の参加者が詰めかけていました。
それでも筆者の環境ではVket Cloudの動作やライブ配信が遅延なく行われ、イベントの最後までページやブラウザがフリーズするといった現象も発生しませんでした。
もちろん環境や状況によっては動作が重くなるケースもあるでしょうから、画面解像度の設定や最大表示アバター数、描画設定やウィンドウそのもののサイズを変更するなどの対応を取れば、同じ場所で配信を見ることが可能です。
現在クリエイター向けに販売されているPCをお持ちの方なら、まず十分にVket Cloudは機能するスペックだと言えるでしょう。
そしてこれだけの人数がブラウザを開いて一つの会場にアバターで集まり、さらには配信する事で情報を共有できるシステムというのは、ソフトを起動してハードウェアを用意してといった作業が無縁なこともあり、コミュニケーションツールとして高い完成度である事を見せつけてくれます。
例えばイベントとして、多くのユーザーを集めたカンファレンスなどを開く際にシステム的に安定しているのは魅力の一つと言えるでしょう。
これからこういったライブ配信システムを備えたVket Cloudのワールドが用途別に出てくるようになれば、手軽さはそのままでよりビジュアルや機能面で充実したワールドが出てくる事もあり得ない話ではありません。
もちろんVket Cloudの遊び方・利用方法はそれだけではありませんが、逆に「それだけのこともできるようになった」という事を今回のイベントでは大いに体験する事ができました。
人によってはここでさらにモーションキャプチャを用いて、ライブ配信を見ながらよりリアルに近いコミュニケーションを楽しむ事もできてしまいます。
お使いのパソコンやスマホの性能にもよりますが、そこそこのスペックさえあれば大人数で情報を共有しながらわいわい話し合い、記念撮影まで出来てしまうVket Cloud:エントランス。
改めて、良いワールドを作るための良いビジュアルと良い機能の大切さと創意工夫の重要性を認識する素敵な機会となりました。
皆様もぜひこの機能をイベントや配信に大いに活用してくださいね!